学会発表初心者の手順書

学習

地方会などで学会発表デビューをする、
あるいはまだスライド作成に不慣れで
何から始めていいかよくわからない
初心者の方に向けた
外科医の視点からオススメする手順を並べました

最後の方に推薦書籍もありますので
そちらだけ知りたい方は読み飛ばしてください

スポンサーリンク

症例の情報をかき集める

まずは発表すると決まった
症例に関する情報をかき集めましょう

サマリーに記載されている
病歴と検査データをまとめ、
症例発表に必要なものは
可能な限りプリントアウトして
スライドに使うデータをマーキングしましょう

パソコン操作が得意な人は
データをエクスポートして
CSV形式でUSBなどに保存しておくことが
オススメです

その際はくれぐれもセキュリティー管理
気を遣ってください

この操作をきちんとやっていたら
スライド作成でほしいデータを追加するたびに
病院に出勤したりカルテを開いたりといった
地味に面倒な作業が省略できます

情報が集まったら
他の人の過去のスライドを参考にしながら
適当に患者さんのデータを入力して
症例提示の部分だけ
作成しておきましょう

あとで修正するので
あくまでテンプレートに貼り付けただけの
簡単なもので構いません

症例の一番の論点を見つけ出す

なぜその症例を
発表することにしたのか
その動機となる最大の論点
はっきりさせましょう

その論点がはっきりしたら
アプローチについて
考え方や選択肢を
探索していきます

方法としては、

・上級医や他科の先生に相談する
・ガイドラインを参照する
・論文を検索する

の3つになります

Take Home messageを決める

論点がはっきりして、
自分なりの考察が固まったら
今回の発表で自分が伝えたいこと
Take Home Message
一つに絞りましょう

発表を聞く人は
同じセッションでいくつもの発表を聞くので
一人の発表から
3つも4つも情報を持ち替えることは難しいです

この先生の発表から
こういうことを学んだと
一言で言えるスライドを目指しましょう

ここまでで
論点考察Take Home Messageが決まれば
スライドの大筋の流れは決まります

最後に演題名、背景、結語を決める

ここまでの大筋の流れが決まった後に
演題名背景結語を決めましょう

通常のスライドの流れとは逆になりますが
全体を通じて辻褄が合うためには
Take Home Messageまで決まった後の方が
これらは作りやすい
と思います

逆に演題名から作ると
考察、Take Home Messageが
演題名から縛りを受けてしまって
非常に作りにくくなってしまいます

症例提示の修正をする

最初に作った症例提示の部分に
立ち返って
みましょう

論点、考察、Take Home Messageにつながる
大事な情報は追加し、
逆に
不要な情報や
論点がずれそうで邪魔な情報は
むしろ消して
しまいましょう

聞いている人が
自分の伝えたいことと異なる部分に
フォーカスを当ててしまったら
素直に理解してもらえないかもしれません

そうなると
肝心なTake Home Messageを
Take outしてもらえなくなってしまいます

スライドの見た目を整える

visual的にわかりやすいスライド
聞いている人の理解を
スムーズにします

強調すべきところを強調し、
上手なスペースの使い方と配色に気を使い、
かっこいいスライドを作りましょう

私はこの段階で
いつもお勧めしている書籍があります

この
あなたのプレゼン誰も聞いていませんよ!
は図が多くて非常にわかりやすく
簡単に真似できる内容です

非常に多くの外科医に読まれていて
学会会場でスライドを見ると
この本を読んだ人のスライドは
フォントの使い方などで一目でわかります

ぜひお勧めなので
一度は読まれてみてください

少しデザインにこだわる

先ほどの書籍では
わかりやすい見た目をつくるために
十分な内容でした

さらに美しいスライド
レベルアップするためには
ある程度デザインの勉強が必要です

グラフの配色や
フィギュアのレイアウトなど
こちらも見た目に美しく作りたい方は
こちらの書籍をお勧めします

デザイン入門教室“に関しては
簡単にまとめたものを
以前記事にしましたので
こちらもご参照ください

図が多く理解しやすい書籍なので
こちらも超お勧めです

何度も声に出してプレゼンしながら違和感を修正する

最後に作成したスライドも

何度も声に出してプレゼンしてみましょう

パワーポイントの場合は、
スライドショー“の
発表者ツール“を使用することで
発表時間やカンペを確認しながら
練習することができます

実際に発表してみると
スライドの連結に違和感を感じたり
表現を変えたくなったり
いろいろな発見があると思うので
それを修正していきましょう

制限時間ないに
違和感なくプレゼンできれば
スライドの完成となります

まとめ

今回は学会発表に向けた
スライド作成の初心者に向けて
また復習がてら勉強する方に向けて
私がお勧めする手順をご説明しました

あくまで一人の外科医の
やり方に過ぎませんので
さらにstep upして修正していただいたり
もっといい方法があれば
情報提供していただいたりすると
updateして良いものができそうですね

コメント

タイトルとURLをコピーしました