ガンマ計算をお手軽に

ICUレクチャー

集中治療や救急の場で
ガンマ計算は多用されますが
学生時代には当然やったこともないし
面倒で瞬時にはできない人も多くいると思います

私が研修医の頃は
ガンマ計算ができなくてもたついていると

“計算のやり方を教えてやるから電卓もってこい”

と上司から怒られた
記憶があります

もちろんちゃんとできるに越したことはありませんが
少しでも気軽に扱えるように
現場で働く1人の意見として
ガンマ計算について解説していきます

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γ(ガンマ)という単位

集中治療で扱う薬に関する単位の一つです

数式で表すと

γ = µg/kg/min

つまり
単位時間単位体重あたりの投与量の単位になります

一見すると単純に見えるこの計算は
以下のような理由で小難しくなってしまいます

薬に記載されている単位は
“mg”であることが多い

希釈して使用するため
濃度の単位である
“mg/ml”を扱うことになる

最終的に
γ よりも
ml/hr の計算結果を
求めることになる

 簡潔に求める方法

結論から言うと
アプリをダウンロードする

これが一番シンプルです

いつかアプリが出るはずだと思っていましたが
無料で利用できるものもありました

実際に使ってみましたが
問題なく使えました

0.3%と言う魔法の数字

これにピンとくる人は
だいぶ集中治療に慣れている人だと思います

ドパミンドブタミンなどの強心薬で
目にする機会があると思います

これは
3 mg/ml
に調整してあると言う意味ですが
この濃度であれば
体重50 kgの患者では

1 ml/hr = 1 γ

とうい非常に都合の良い数字になります

これを基準に考えれば
例えば75 kgの患者に対しては

1.5 ml/hr = 1 γ

と言うことになります

救命の現場では
ドパミンが非常に多く使用されます

血圧が安定しなくて
とっさに使用する強心薬の選択としては

  • シリンジの製剤があってすぐに使用できる
  • ガンマ計算が患者の見た目で大体計算できる

などのメリットから
ドパミンは選択されやすいです

真面目な研究医の先生から
なぜドパミンなんですか?
ノルアドレナリンは使わないほうがいいんですか?
と質問されることがありますが、
ただ使いやすいからと言う一面があることは
知っておいて良いと思います

まとめ

ガンマ計算は複雑ではないですが
非常に面倒な作業の一つです

地道に計算しなくても
アプリや電子カルテのシステムを使用するで良いと思います

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