抗生物質と腸内環境

ライフスタイル

年齢を重ねるにつれて
健康管理をしっかりしなければならないことを
実感しています

特に心臓血管外科のような
一人前と言われるまでに時間を要するような分野では
離脱せずに継続することが大事であり、
そのために重要な要素は
健康管理であると考えているからです

今回は”最高の体調”という本を読んで
非常に参考になる内容が多かったので、
一部共有させていただきます

電子書籍やAudibleで読む方が好きな方は
こちらでどうぞ

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炎症反応が高い人に癌や疾患が起きやすい

元気な高齢者に特徴的な血液検査の結果では、
炎症反応が有意に低いということが分かっています

炎症反応は
必ずしも細菌などと闘っている時だけに
上昇するわけではありません

アレルギーや自己免疫疾患など
異常な免疫反応でも
体内では炎症反応が起こります

がん細胞に対しては
免疫から逃げることで
体内で生き延びることができるので、
免疫が正常に起こらない状態になると
癌になりやすい
というのはうなずけます

正常な免疫というのは、
攻撃すべき対象を攻撃して、
攻撃すべき対象でないものには攻撃しない
という機能が維持できている状態です

絶えず異常な免疫反応により
炎症反応が高い人は
この状態から逸脱して
癌や疾患になりやすくなるでしょう

私も高齢者の血液検査結果をよく目にしますが、
たしかに状態が安定している人でも、

炎症反応が高めの人と低めの人が
はっきり分かれている印象はあります

腸内環境を整えることで炎症反応の改善が見られる

腸管はリンパ球が集まる組織でもあるので
第二の免疫機関とも言われます

例えば、
臓器移植の中でも小腸移植は最も成績が悪く、
免疫機関である小腸を移植すると、

レシピエント(受け手)の免疫と対峙して
拒絶反応を起こしてしまいがちです

腸管には腸内細菌が住み着いていて、
その細菌の中にも善玉菌悪玉菌がいます

悪玉菌が多い状態では、
腸管の免疫に悪影響をきたします

腸内環境を整えるということは、
腸管の善玉菌を増やして
腸管免疫が正常な状態を維持できるように
することを指します

腸内細菌と共生する

腸管内の善玉菌を増やすためには

1.善玉菌を摂取すること
2.善玉菌を育てること
3.善玉菌を殺さないこと

が重要です

善玉菌を摂取するというのは、
食事やサプリメントを利用して
口から善玉菌を取り込むことです

具体的な食事の内容は、
納豆やヨーグルトなどの発酵食品を摂取したり、
キャベツなどの生野菜を食べることが
良いとされています

善玉菌を育てるためには
善玉菌の栄養となる食物繊維を
積極的に取ることが良いとされています

善玉菌を殺さないためには、
善玉菌がきらう脂肪分の多い食事を控えたり、
抗生物質を控えたりすることが
良いとされています

私たち医師は
抗生物質を処方する機会が多いですが、
実はそれが患者の腸内環境を悪化させ、
健康被害を起こしているかもしれないことは
十分理解しておかなければなりません

人間は体の中で
腸内細菌と共生しているので、
腸内細菌を大事にしてあげないと
いけませんね

プロバイオティクスとプレバイオティクス

腸内環境を整える方法として
サプリメントも注目されています

プロバイオティクスというのは、
善玉菌を集めたサプリメントを摂取して
体内に取り込むことを指します

プロバイオティクスに関しては
過去にブログの記事も書いていますので
こちらも見ていただけると嬉しいです。


一方でプレバイオティクスというのは
善玉菌が元気に育つように
食物繊維などの善玉菌の餌となるものを
サプリメントで摂取することを指します

本の中でもいくつか薦められていますが、
私は
・プロバイオティクスとしてこちら


・プレバイオティクスとしてこちら

毎日摂取しています

私の印象としては、
通時の回数が増え(健康な便)、
ランニングで痩せなかった体重が
急に1-2kg減少したのに
驚いています

今後も”よりみち外科医のひとりごと”
経過を報告していこうと思っています

まとめ

今回は健康に関する情報として
こちらの本から一部引用して記事にしました

善玉腸内細菌との共生が
健康状態の維持に重要であることを
理解していただけると嬉しいです

医師は抗生物質を安易に出しがちですが、
これを機に本当に必要な人にだけ処方すること
本当の優しさであることを
広く知っていただけたらいいなと思います

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