病院の中で
最重症の患者が入院する
ICUは
その他の病棟とは
全く雰囲気が違うものです
自分の受け持ち患者が
ICUに入室することになると
身が引き締まる思いがするでしょう
ICU管理の教科書は
たくさん出ていますが
失敗したいために
基本的な知識と考え方を
簡潔にまとめます
一般病棟患者とICU患者との違い
まずはこれを理解しておくことが大事です
一般病棟に入院している患者は
健康上で
“Problem”
を抱えています
治療の目的は
この“Problem”を
解決することです
一方でICUに入室している患者は
生命維持を
こちら側に委ねています
治療の目的は
生命維持に関わるものを
全て供給し続けて
患者の回復を待つことです
まずこの前提を
頭に置いておく必要があります
By Systemとは
一般病棟での
治療の評価としては
By Problemを用います
これは
SOAPでいう
A(assessment)で
Problem listを作成し
それぞれを評価していくという形式でした
それに対して
ICUでの
治療評価としては
By Systemを用います
これは
SOAPでいう
O(objective data)で
あらかじめ決められた項目を
Systematicに評価していくというものです
具体例に関しては
医学書院のこちらの記事を参照にしてみてください
ABCDE+III
これは
By Systemでの評価項目の
頭文字を取ったものです
A. Airway (気道) B. Breathing (呼吸) C. Circulation (循環) D. Dysfunction of CVS (意識) E. Environment (環境) I. Infection (感染) I. Ion (電解質、酸塩基平衡、腎臓) I. Insulin (インスリン・血糖・内分泌、栄養)
これらに対する現状を
少なくとも1日1回は
把握、カルテ記載し、
解決していくことが
ICUでの治療目的になります
逆にいうと
これらが解決済みであれば
ICUにいる必要はありません
頭から順番にみる方法
ABCDEIIIとは別の
系統的な評価方法もあります
こちらでまとめている集中治療医の先生方も
多く見受けられます
- 神経
- 気道、肺
- 循環器
- 消化器、栄養、内分泌
- 腎、電解質
- 感染、免疫
- 血液、凝固
- 皮膚(熱傷、褥瘡、ライントラブル)
- 筋骨格系(拘縮予防、骨折の有無)
- 管理物まとめ(入れた日付も)
これらを暗記して
毎度文字に起こすのは大変ですが、
電子カルテに定型文として覚えさせておけば
むしろ見落としがなくて便利ですよね
これに関しては
詳しく述べられている論文もウェブ上で掲載されています
まとめ
ICUでの管理は
一般病棟でのそれとは勝手が違います
生命の維持を委ねられているので
見落としは許されません
By Systemで
見落としのない評価をしていきましょう
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