以前にも医師の不動産投資について
記事で紹介しましたが、
今回は不動産投資を始めて
10年の実話を記事にしました。
以前に投稿した以下の記事もご参照ください
今回の記事は
医師の院内PHSにかけてくる
不動産勧誘の一例として
某関西マンションデベロッパーで
投資用新築マンションを販売している
上場企業の営業マンとのやりとりの
実話をもとに作成しました
あくまでも不動産投資全般ではなく
1例に過ぎないものではありますが、
医師の方であれば知っておいた方がいいと思い
共有させていただきます
結局のところ儲かるのか
そんなにうまい話はありません。
儲かるどころか
よほど当たりの営業マンでない限り
大損してしまいます。
<インカムゲインについて>
不動産投資といえば
家賃収入で儲けを出す印象があると思いますが
新築区分マンションであれば
それがプラスになるのは1-2年程度だけで
その後はほぼマイナスになります
特にサブリースを持ちかけてくる場合は
確実にマイナスだと思ってください
サブリースというのは
購入した物件を
不動産業者が一括借上げして
家賃を保証する制度です
これについてはカラクリがありますが
それは後ほど解説します
さらには固定資産税がかかり
毎年1件当たり
5-10万円の税金を持っていかれます
ここまで聞いて分かる通り
普通に考えると収支は出ていく一方です
プラスになる要因があるとすれば
節税効果です
これは不動産にかかる経費を
確定申告で申告することによって
税金を還付してもらう仕組みを指します
節税スキームは営業マンによって全く異なり、
その人が本当に真面目にやってくれるかは
こちらからは全く分かりません
営業マンにとっては
顧客の節税など一円の足しにもならないので
適当に済ませてしまい
還付金が十分にもらえないケースがあります
<キャピタルゲインについて>
不動産を所有していたら
売却によって利益を得ることもできます
売却益が出るかどうかは
その物件の良し悪しです
購入した物件の価格は
必ずしも物件の価値を反映しておらず
メーカーによっては利益を乗せ過ぎて
買った瞬間に売却すると
数百万円が吹っ飛ぶほどの
大損害の場合があります
特に自分が住んだことがない地域の
不動産を購入する時には
その価値がわからないことが多いため
価格の妥当性を見誤ります
多くの場合は10年ほど所有すると
数十万円から数百万円のプラス収支で
売却することができるので
まともな営業マンから購入すれば
売却益はでるはすではあります
<営業マンの手腕と良心による>
結局のところ
営業マン次第ということになります
営業マンの質を知る一番の方法は
他の営業マンと比較することです
必ず一人の営業マンとだけ付き合いを持って
その人のことを信用するのは
やめておいた方がいいです
逆に有能な営業マンと出会うことができれば
インカムゲインもプラス収支で
キャピタルゲインもしっかり狙える
しかも手間がかからない
綺麗な投資を行うことができるのが
不動産投資です
営業トークの変遷
私が紹介するのは
電話営業をかけてきた
ダメ営業マンの一例ですが
知り合いの不動産業者に聞くと
それが一般的だとのことでした
<初回購入時:魅力ゴリ押し>
初めて会うことになった時は
ゴリゴリにトークを準備して
営業マンがやってきます
ニュースの記事を持ち出して
円安、年金問題、現物資産の重要性など。。。
銀行預金で損する話や
将来のお金の不安について
独自の解釈を教えてくれます
その後に不動産のメリットについて
良いこと尽くしで説明を受けます
・収支がプラスで運用できる
→最初の数年だけです
・節税になる
→営業マンの腕とやる気次第です
・年金になる
→ダメ物件なら負債にもなります
・生命保険になる
→収支が悪いなら掛け捨ての生命保険の方がお得です
不動産に関する少しの知識があれば
どれも机上の空論であり
結局は営業マン次第なので
その人が本当に信用できるとわかる証拠がなければ
信じることは危険だと分かります
<買い増し:節税効果をあげましょう>
1件目を購入した後は
数ヶ月ごとに次の物件を紹介され
追加購入を勧められます
医師は収入の高さと安定性から
ローンの上限が高いため
簡単に追加の物件を購入できます
具体的には
新築区分マンションであれば
10件程度が限界になります
営業マンは10件に到達するまで
追加購入を勧めてきます
その時の決め台詞は
以下の通りです
・1件当たり5万円としてこのままでは年金として不十分です
→将来のために現在の収支がさらに悪くなる可能性があります
・節税効果がさらに高まります
→さらに営業マンの腕次第です
これまでの物件購入のやり取りから
営業マンが顧客をちょろいと判断した場合
以後に勧めてくる物件は
売り手が見つからないダメ物件も
多く含まれます
ここまでにサブリースによって
収支がプラスであり
不動産取得税や固定資産税を
払ったことがなければ
正確な収支がわからないため
さらに危険な投資に
足を踏み入れることになります
<10件購入後:紹介してくれ>
営業マンは10件購入してもらった後は
その顧客に興味がありません
それでもせっせと節税スキームを
しっかりと講じてくれる営業マンは
非常に信頼ができると考えられます
そうでない営業マンが打ってくる次の手は
紹介をせがんでくることです
・紹介料で◯万円キャッシュバックします
→それで失う信用の方が大きいです
それまでの投資が失敗している場合は
被害を広げるよりも
自分の収支が健全になるために
不動産投資がうまくいっている人の
営業マンに相談する方がベターです
<10年後:売却と追加物件>
10年ほど経過すると
ローンの残債がだいぶ減少して
売却すると利益を出すことができる
場合が多いです
このタイミングになって
営業マンがまた連絡をよこしてきます
・気に入らない物件があったら残債で買い取ります
→利益がなくなってしまうので損します
・リスクヘッジで再開発が進んでいる別の都市の物件をご紹介できます
→相場のわからない都市の投資にはリスクを伴います
・このままサブリースで持ち続ければ安心です
→サブリースの手数料+管理委託費用でデベロッパーはボロ儲けです
・収支がマイナスなのは一般の生命保険のようなものだと考えてください
→ついに収支の改善を放棄しましたが、これは営業マンが無能であることの裏付けです
基本的に営業マンが一番
お勧めする運用は
こちらの損失が膨らむ提案です
こうなると八方塞がりのように思えますが
簡単に解決する方法もあり
それも後ほど解説します
サブリースとは
個人の所有する物件を
一括して借り上げて
個人には安定した賃料を支払うシステムです
具体的にお話しすると
家賃が月額70,000円の物件をお任せして
手数料7,000円(10%)を引いた
63,000円が安定的に支払われることになります
個人からすれば
空室リスクが軽減されて
安心の運用ができます
しかしこのサブリースには
いくつか罠があり
それを悪用しているデベロッパーもいます
<手数料が高い>
サブリースの手数料は10-20%程度ですが
これによって収支がマイナスになります
そもそも10%というのは
年間で1ヶ月以上空室になっていることが
確定した金額になります
<定期的な更新>
およそ2年ごとに
契約の更新があります
その契約内容には
賃料の引き下げや
1ヶ月の免責(支払われない)などもあり
更新して得することはありません
その内容は完全に業者の一存なので
こちらができることは
契約を更新しないことになりますが
これまでサブリースしかしていない個人にとっては
少しハードルが高くなってしまいます
<最初の数年だけ高い>
購入直後の賃料が
相場よりも高く設定されていることがあります
一見すると個人が得しているように思えますが
実はそうではありません
理由1
更新の時期に賃料の引き下げや免責を
確実に要求してきます
理由2
マンション価格を引き上げています
これについては金融の知識が少し必要なのですが、
簡単に解説します
賃料が高く設定されると
物件の評価額が上がります
すると銀行が貸し出せるローンの金額が
引き上げられます
マンションを購入する人のほとんどが
ローンで購入するのですが
銀行は物件を担保にローンを貸し出すので
物件の評価額以上のローンは貸し出してくれません
このような理由から
デベロッパーが利益をたっぷり乗せて
物件価格を引き上げるためには
最初の数年で多少損をしても
賃料を引き上げることを意図的に行うことがあります
ただし、
これは新築マンションに限った話です
<物件を自由に委託、売却できない>
サブリース契約をしていると
物件を貸し出している状態なので
自分で有能な営業マンを見つけて
物件の管理を任せたり
売却したりすることができません
もし管理委託の変更や売却をする場合は
サブリースの更新時期になって
契約を破棄できるまで待つか、
違約金を支払って
契約を途中破棄する必要があります
所有者が逆転する打ち手
すでに物件を購入して
7-10年ほど経った投資家は
実はここから収支を改善することは
難しくない場合が多いです
理由としては
- 売却益が出る物件がある
- 不動産投資全体の収支を理解している
- このブログで全貌を知ってしまった
などです
まずは自分の所有する不動産の
査定をしてみましょう
収益物件の掲示板サイトとして有名なのは
“楽待”と“健美家”
の二つです
このサイトでは
自分の物件と同じような
最寄り駅と築年数から
相場を知ることができます
このサイトから
自分の物件を査定に出だして
複数の仲介業者に一括査定してもらうことも可能です
この査定は次の出会いになります
仲介業者は物件の購入、売却、運用の
全てに関するノウハウを持っています
売却に関して
一番満足のいく結果を得られた業者は
運用においても利益をもたらしてくれる
可能性が高いです
現状お付き合いのある営業マンに
不満があったり
さらに良い運用が期待できたりする場合は
ここで乗り換えることがベターでしょう
まとめ
不動産投資そのものは
良質でも悪質でもありません
きちんと知識があれば
素晴らしい運用ができる可能性を持っていますが
ダメ営業マンに騙されるほどの
知識しかなければ
大きな損失を被ってしまいます
しかし現物のない投資詐欺ではなく
不動産は現物として存在するため
運用のやり方を見直すことで
上手に運用できる可能性があります
不動産投資に興味がある人は
電話をかけてくる営業マンと付き合わず
上手に運用している仲間から紹介してもらってください
もちろん騙されて損している
仲間からはダメです。。。
不動産の運用で困っている人は
その営業マンから逃げられる道を
探してください
具体的な方法は前述した通りで
仲間から紹介してもらうか
自分で探すかです
投資にリスクはつきものなので
私が積極的に勧めるものではありませんが
一人でも多くの人にお役に立つ情報になれば
幸いです
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