医師への不動産の営業の本音

投資、保険

勤務中に外線で連絡があり
不動産の営業の電話を受けたという経験は
医師なら誰しもあると思います

悪質なものだと
知り合いや別の業者を装って
なんとか電話に出てもらおうとする営業もあり
非常に怪しい業界であると
認識している方が多いと思います

私の知り合いには
不動産の営業マン
不動産投資をしている医師がいて
実情を知る機会に恵まれています

私の知っている限りですが
不動産投資の現実の話を解説します

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不動産投資の概要

電話営業のほとんどは
新築マンション投資です

都心部には賃貸マンション
たくさん建築されていると思います

デベロッパーは各部屋ごとに
投資家に販売します

完成在庫を無くすために
一部屋でも多く販売するために必死になっており
電話営業で買い手を探します

販売業者のメリット

賃貸マンションを建設しても
自分で抱え込んでしまうと利益率が悪いので
事業が拡大できません

例えば1部屋2000万円で月8万円の家賃の
物件を建設したとしましょう

この物件が100部屋あるとすると
20億円の費用をかけて
月800万円(年間約1億円)を回収することになります

つまり20年経たないと資金が回収できないので
利益になるのは20年後になるとういう計算になります

※実際には物件価格2000万円のうち600万円は利益なので、これを1400万円としても回収に約14年ということになります

一方で全て投資家に販売してしまえば
物件価格の約3割が利益と言われているので
入居可能になった段階で6億円の利益が出ます

つまりこれを資金源に新たな物件を建設して
次々に事業を拡大することができるわけです

空室リスクもなく
グループ会社で管理会社も持っていれば
持続的な収益も得られるので
メリットしかないということになります

逆に完成在庫が残ると
事業拡大の足枷になるので
営業マンが必死になるのも頷けるというわけです

医師をターゲットとする理由

他の業種と比較して医師をターゲットとする理由は
3つあります

  1. 借入できる金額が大きいから
  2. 節税のメリットを受けやすいから
  3. 投資や法律に疎く、説得しやすいから

<借入できる金額が大きいから>

ほとんどの投資家はマンションを購入する際に
銀行からローンを借入します

借入可能な金額は年収とその安定性で決まるため
医師は比較的に多額の融資が借りられます

少なく見積もっても2億近くは借りられるので
一人の医師を投資家として獲得できれば
10件は販売できるということになります

営業マンとしては
新たに10人電話営業で投資家を募るよりも
1人の医師に営業できる方が
非常に効率的ということになります

<節税のメリットを受けやすいから>

不動産投資のメリットの一つに
必要経費を出すことで節税効果があるとういものがあります

これは高額納税者ほど節税効果が大きいため
医師はメリットを享受しやすい傾向にあります

メリットが大きいほど営業をかけやすいので
これも医師が選ばれる理由になります

<投資や法律に疎く、説得しやすいから>

上記のメリットを受けやすい業種は
医師に限ったものではありません

弁護士や司法書士、その他多数考えられます

その中でも一番ビジネスや法律の世界と接する機会が少なく
リスクとベネフィットを実感できない業種は
間違いなく医師です

営業マンの立場から見て
医師は
メリットばかりを強く主張することで
簡単に説得できる可能性が高い
考えられています

これらの理由から
不動産投資の営業は
医師を積極的に勧誘する傾向にあると考えられます

投資家のメリット

  1. 年金代わりになる
  2. 生命保険代わりになる
  3. 節税になる
  4. その他

<年金代わりになる>

ローンを返済し終えたあとは
家賃収入が得られるので
年金代わりになります

年金だけでは
老後の収支は賄えないので
不動産を個人年金と考えることもできます

医師は異動が多いため
退職金を期待できないとうい一面からも
不動産で資産を形成するということは
有用と思われます

<生命保険代わりになる>

不動産の購入で
ローンを組む際には
”団体信用生命保険”
というものに加入します

これは返済途中に債務者が
死亡または
就労不可能な高度障害を患った場合に
残りの返済額は返済不要になる保険です

つまり、
もしもの場合には借金は全て帳消しになり
残された家族は相続することが可能ということです

不動産投資をしている人は
生命保険の必要性が非常に低くなるということですね

<節税になる>

不動産投資を行っていると
それに伴う費用を経費として計上できます

例えば
・物件の購入にかかった費用(減価償却)
・ローンの金利返済分
・不動産取得税や固定資産税
・その他の投資にかかった経費

不動産投資の収支
(家賃収入)-(費用)-(税金)
という事になります

区分マンション投資では
新築であっても中古であっても
この収支が大きくプラスになることは非常に少ないです

全ての経費を適切に計上すると
マイナス収支になります

このマイナス収支を
勤務している病院からの給与所得と
合算することが可能です

(所得)=(給与所得)-(不動産で計上したマイナス収支)
となるので
課税所得を減額することができます

このようにして
不動産投資をしていない場合と比較すると
不動産投資をする事により
納税する金額が減額されるという事になります

これが不動産投資の節税という事です

<その他>

区分マンションの不動産投資は
金融商品です

ローンの組み方
繰上げ返済
管理のやり方など
さまざまな工夫をする事で
お金に余裕があるときにはローン残債の減額を優先したり
留学などでお金が必要な場合は
ローンを引き伸ばして収支を改善したり
柔軟な運用ができます

ある程度の知識と
パートナーとなる営業マンの手腕
求められますが
ライフスタイルに応じた運用ができることは
一つのメリットとなります

投資家のデメリット

  1. 収支が見えづらい
  2. 途中で止めることができない
  3. 新たな融資を組む足枷になる
  4. 物件の将来はわからない

<収支が見えづらい>

不動産投資でかかる費用は
きちんと勉強していないとわかりません

管理費
修繕積立金
管理委託手数料
サブリース契約をしている場合はそのマージン
不動産取得税
固定資産税

が不動産の取得後に必要な経費になります

営業マンによっては
これらの経費を十分に説明せず
メリットばかりを主張する場合があります

上記を理解した上で
受けた営業に不十分な点があった場合は
これからずっと付き合っていく営業マンとしては
信頼に値しないと考えられます

<途中で止めることができない>

不動産は換金性が悪い
投資になります

株などのように
瞬時に売り買いできないので
やめようと思ってもすぐに止めることがありません

ローンの残債よりも
売却価格ば低ければ
その差額を手出ししないと
物件を手放すことができません

この点からも営業マンの勧めてくる物件の良し悪しと
管理に精通した知識がものを言うので
信頼できる営業マンを見つけることは必須です

<新たな融資を組む足枷になる>

不動産を購入する際にローンを組むと
個人の借金額が増えます

非常に多額の借金を抱えていると
追加でローンを組むことが難しくなる場合があります

これで困るのは自宅の購入開業資金の準備です
投資でローンを膨らませたが故に
これらに必要な資金を集められなくなる場合があります

その点も営業マンとしっかり議論をして
購入する件数やペースを検討する必要があります

<物件の将来はわからない>

購入する物件の土地勘があれば
ある程度人気のエリアかどうかは把握できるかもしれませんが
縁もゆかりもないエリアの物件であれば
その場所の価値も将来性もよくわかりません

鉄筋コンクリートマンションは
100年以上の耐久性があると言われていますが
どこまで築古になると賃貸がつきにくくなるかなどは
誰にも正確に把握できません

一つ言えることは
賃貸物件は何よりもエリアが大事なので
これを外さない物件を紹介してくれる
営業マンと契約することが大事になります

サブリースというのは
家賃保証のことで
空室になっていても
安定して家賃を得られるシステムです

一見有難いシステムに思えますが
そんなことは全くありません

保証する家賃は相場よりも低く設定されますし
築年数に応じてどんどん減額されます

そもそも賃貸がつきやすいエリアでは
このような保証は必要ないはずです

家賃保証を勧めてくるような物件は
そもそもハズレ物件ですし
そのような営業マンとは付き合わない方が良いです

結局、不動産投資はするべきなのか

営業マンによって非常に有効な投資にもなりますし
ただ損をさせられるだけの投資にもなります

営業マンの選別としては
・デメリットをちゃんと説明すること
・1年後、5年後、10年後の年間収支をちゃんと数字で出せること
・宅建の資格を持っていること

が前提だと思います

これらに該当しない営業マンはハズレの可能性が高いです

最後の宅建については不動産の売買に必須の資格です

不動産は金融商品なので
ある程度の勉強ができなければ
有効な資産運用ができません

不動産投資は購入してからが大事なので
できればさまざまな運用の選択肢を持った営業マンを
パートナーに選ぶことが成功の秘訣です

また、知識がないのに一人で始めるのは
非常に危険です

不動産投資をしている仲間から紹介してもらったり
不動産関連の仕事をしている知り合いに相談したり
思い込みにならない環境を作ることが大事です

まとめ

不動産投資の概要を説明しました

ある程度の知識がない状態で
営業マンの話を信じるのは危険です

この記事の内容を理解した上で
一人でも多くの方が
良い投資ができることを祈ります

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