経胸壁心エコーは
心臓弁膜症の状態を観察する基本の検査です。
循環器専門医でなくても
一度は見たことがあると思いますが、
意外と気にしていなかった大動脈の弁尖の観察について
少し深堀してみようと思います。
経胸壁心エコー
まず最初に観察する
長軸像をイラストでお示ししますが、
この画像に映っている大動脈弁は
何冠尖と何冠尖かわかりますか?
![](https://yoriste.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0108-1024x601.png)
朝のカンファレンスで話題になったので取り上げましたが、
循環器の医師であれば
上の弁尖が右冠尖であることはすぐにわかると思います。
下の弁尖は?
と聞かれると、
左冠尖か無冠尖だけど
それってどちらかがたまたま映り込んでいるんじゃない?
って考える人も少なくないんじゃないでしょうか?
一方で僧帽弁は前尖と後尖が映っているのは明らかで、
この長軸像では僧帽弁の弁尖の真ん中で切った像になります
解剖図で確認
![](https://yoriste.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0109-1024x741.png)
図のように 僧帽弁の弁尖の真ん中で切ると、
議論していた大動脈弁の弁尖は
無冠尖
であったことに気づくと思います
この解剖は狭小弁輪で適応となる
Manouguian法を行う際に必要な知識になります
僧帽弁の前尖の真ん中に向けて大動脈弁輪を切り込んでいくときには
無冠尖の左冠尖寄りを目指すことになります
まとめ
少しマニアックな内容ではありましたが
日々の勉強に役立てていただければ幸いです
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