学生向け手術体験実習を終えて(2021/11)

学生実習、進路関連

毎度恒例の学生向け手術体験実習
心臓血管外科の企画で行いました

これまでも大変好評な企画でしたが、
実習の成果として入局者を増やすに至らなかったことから
企画の設計を見直し、
新たな試みも導入して取り組みました

dry labo中心の企画でしたが
成功した点とと改善点について
レビューしますのでもし同様のイベントを検討されている方は
ぜひ参考にされてください

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これまでの実習の反省

これまでの実習では
結紮縫合の実習と
解剖の勉強をしたうえで、
あいた時間でwet laboとしていました

メリットはwet laboまでの
基本手技をある程度習得して
手術の流れを体験してもらうことで
ある程度スムーズに手が動くようになっていることでした

しかし、
手技の上達を図る数値的な目標がないことと
時間の制約でwet laboが中途半端だったこと
などの問題もありました

解散時間がバラバラになるため
学生と対話する時間を用意できず
自分から話しかけてきた人にだけ
情報提供できていた状態でした。

現実として
6年生のクラークシップで心臓外科を選択する学生は少なく
母校からの入局者は少ない状態が続いていたので
医局内では実習の開催について
その意義を疑問視する声もありました

コンテストの導入

今回から結紮のコンテストを導入し、
それに向けて練習するというカリキュラムを作りました

結紮の強さ:メーターで計測
結紮のスピード:30秒間でより糸の結紮回数

の二つの部門を作り、
あらかじめ割り振ったグループ内から代表者を決めて
実習の最後に競ってもらうという流れです

数値化できる明確な目標ができると
結果をよくするために自分たちで考える機会が与えられ
実習が単なる受け身のものではなくなります

私たち主催者側にとっても
参加者の習得度を確認しやすいため
次回開催時の資料となります

このコンテストに向けての練習の様子を
各グループ一人のチューターがついて回ることで
それぞれの学生の特徴を理解し、
また学生からも気軽に声をかけやすい状態を作ることができました

レジデントの手術見学

今回は学生にwet laboをする機会がないため
バックテーブルで研修医の先生やレジデントが
wet laboで手術をしている様子を
休憩しながら見学してもらいました

手術の内容や必要な手技の確認
何に気を付けて手術をしているか
自分たちが実習でやっていることの応用を見てもらうことで
モチベーションアップにつながりました

しかし、
学生の中にはwet laboを自分もやりたかったという声もあり
その希望には応えられませんでした

グループディスカッション

コンテスト終了後に
各グループでまとまって
チューターが中心となって総括をしました

実習の感想や、これからやりたいこと
希望する診療科や研修についてなど
リアルな意見を話してもらえる貴重な時間になりました

心臓外科をおもしろい、やってみたいという学生は
思っていたより多くいて
一方で
こうした時間以外で心臓外科医と話す時間はないので
情報が少なくて選択に躊躇しているという一面があると思いました

反省点

今回は新たに二つの要素が導入されました

コンテストの導入
・数値的な目標をもって実習ができた
・実習終了の時間がはっきりした
・wet laboを学生に体験してもらう時間が取れなかった
グループディスカッション
・学生の貴重な意見がきけた
・心臓外科のPRができた
・チューターによって集めた情報量にばらつきがあった

wet laboの希望が出てくることは
ある程度は覚悟していました

これに関しては今回の実習とは別に
基本手技はできている学生中心に開催して
吻合やwet labo中心のイベントを行うなどの
企画が必要になるかと思いました

今回企画をだいぶ変更しているため
指導する側にも戸惑いがいくらかあったようですが
回を重ねるにつれてシステム化されていくでしょう

まとめ

学生の手術体験実習を行いました

いくらか企画の変更を行い
学生からのレスポンスや実習の様子から
今後に役立つデータが得られました

実習をより有意義にするため
また心臓外科のチームメイトと増やすため
今後も活動と発信をしていこうと思います

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